バスコ礼賛

2001年12月23日
何度も言うように、とにかく素晴らしい馬だった。バスコに教われ、とカーチャが言った意味が段々分かってきた。私が間違った扶助を与えると、バスコは全く反応を示さない。しかし、正しい扶助を与えれば、いとも簡単に私が思うような反応を返してくれた。それをカーチャが見た範囲で良いとか悪いとか、もっとこうしろ、と指示を与える。2人の先生は完璧だった。
最初の内は、バスコが可哀想だから、もう降りろ、とカーチャに言われ、レッスンの途中で馬から降ろされたり、彼女がだめだ、これは、と言うように天を仰いで何も言わずにレッスンを放棄する、なんてこともあったが、私は少しずつ上手くなっていった。バスコが正しい反応をした時の感覚、手と、体重の乗せ方と、脚の使いかたを体で覚えた。それは、職人が、轆轤を回す時の力具合を練習に練習を積んで体にしみ込ませていくのに似ている。
バスコはその背の上で、カーチャと、何人ものカーチャの弟子たちを育ててきた。私が彼の最後の生徒になった。

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