初めてバスコに乗ったこと
2001年12月9日「バスコは完璧な馬だから」と、カーチャが言った。「あなたが正しいことをすれば、正しい反応をする。間違った指示には彼は従わない。」
バスコに初めて乗ったときのショックを、今でも覚えている。私が今まで乗った馬とは全く勝手が違った。はっきり言って、どうにもならなかった。話が通じなかったのだ。
人間は馬に、手綱を握っている手や、鞍に乗っている座り(おしり)や、馬の腹に触れている脚で微妙な指示を与える。それを日本語では扶助と呼ぶ。
私は正しい扶助を与えた。つもりだった。が、バスコは全く私の思ったような反応を返さなかった。鼻面を天井に向けて、全く動かない。かと思うと勝手に前へ進み始める。私の思うところで曲がってくれない。コントロールが利かない。(バスコも何をしていいか分からず戸惑っていた。)
それでも私は馬術部で養った根性で、なんとかこの馬に言うことを聞かせようとして、無闇に手綱を引っ張った。バスコは口角から血を出した。
カーチャは目を覆っていた。2年ほど後に打ち明けてくれたが、この時、彼女は私を日本に帰そうと思ったらしい。絶対にこのちびの日本人は本当の馬術を学ばない。腕力でしか乗ろうとしていない。センスゼロ。と思ったのだ。でも私があまり楽しそうに(楽しそうだったか?)乗っていたので、しばらく様子を見る気になったのだそうだ。私としては、幸運にも。
バスコに初めて乗ったときのショックを、今でも覚えている。私が今まで乗った馬とは全く勝手が違った。はっきり言って、どうにもならなかった。話が通じなかったのだ。
人間は馬に、手綱を握っている手や、鞍に乗っている座り(おしり)や、馬の腹に触れている脚で微妙な指示を与える。それを日本語では扶助と呼ぶ。
私は正しい扶助を与えた。つもりだった。が、バスコは全く私の思ったような反応を返さなかった。鼻面を天井に向けて、全く動かない。かと思うと勝手に前へ進み始める。私の思うところで曲がってくれない。コントロールが利かない。(バスコも何をしていいか分からず戸惑っていた。)
それでも私は馬術部で養った根性で、なんとかこの馬に言うことを聞かせようとして、無闇に手綱を引っ張った。バスコは口角から血を出した。
カーチャは目を覆っていた。2年ほど後に打ち明けてくれたが、この時、彼女は私を日本に帰そうと思ったらしい。絶対にこのちびの日本人は本当の馬術を学ばない。腕力でしか乗ろうとしていない。センスゼロ。と思ったのだ。でも私があまり楽しそうに(楽しそうだったか?)乗っていたので、しばらく様子を見る気になったのだそうだ。私としては、幸運にも。
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